南インドの一般家庭
式が終わって2日後、Bの奥さんの実家に食事に来ないかと誘われたので、行ってみた。
あまりカーストのことはよくわからないが、彼らは、恐らく南インドでも中の上くらいの家庭だと思う。ティルバナンダプラム郊外からタクシーで30分程度離れた、都心部の一戸建て。
家族構成は父・母・娘二人の4人家族。お父さんは小型車1台、娘はスクーター1台持っている。娘二人は共に大学で電気工学を学び、お姉さん(Bの奥さん)は卒業後、オラクルのインド子会社でソフトウェア開発をやっていたそうだ。
一部屋は4畳から6畳くらいと大きくないが、2階建てで、全部で5,6部屋ある。日本で言うところの4LDK+ルーフバルコニーと言った感じだろうか。
キッチンはこんな感じで、綺麗に整理されている。南インドの人たちは基本的に几帳面らしい。
お母さんはチャイの名人とのことで、とても美味しかった。
お父さんと娘2人は英語を話すけど、お母さんは現地語しか話さないようなので、なんとなく身振り手振りでコミュニケーションを取った。このあたり、男女の教育機会が変わってきているのでしょう。
ちなみに、お父さんが料理を手伝ったり、娘のメヘンディを書いてあげたりするそうで、ちょっと意外。
南インドの子供たち
南インドの人たちは本当に人懐っこい。日本人が珍しいということもあるのだろうが、海沿いを散歩していると、名前を聞かれたり、一緒に写真を取ってくれと言われたり、まるで自分が芸能人になったような気分。とくに子供たちは好奇心旺盛で、何度か囲まれました。(笑)
みんな本当にいい笑顔なんですよね。なんだか心が洗われるようでした。
南インドの感想
今回、初めてのインド旅行でしたが、これまで抱いていたイメージとは随分違っていたことに気づき、またインドに対する様々な疑問が解けました。
まず、南インド(ケーララ)が北インドと文化的にも気候的にも大きく異なること、食事や服装は勿論、生活水準や考え方に至るまで、我々が普通に知っていたインド=北インドであったことを知りました。また、同じ多神教だからなのか、ヒンズー教の民衆の信仰スタイルが、日本の神道と通じるものを感じました。宗教学的なことはわからないので、かなり感覚的なものなのですが、彼らが生活の中で神様に接している様子や、「貧しくとも堕ちず」という彼らの倫理感の根底にあるものは、仏教やキリスト教のようなシステマチックなものではなく、日本人が古来より持っている「神様」への曖昧ながらも倫理的に強力な拠り所になっている宗教観に近く感じました。
このあたりの根底にある感覚が親近感に繋がっているのか、歴史的経緯で親日国家だからなのか、それとも単に南インドの食事が美味しかったからか、僕はすっかり南インドが気に入ってしまいました。
いま、経済的に急速に発展しているインドとは、日本もビジネス面においても切っても切れない関係になっていくと思います。その勢いを肌で感じることができたのは本当にいい経験になりました。
なんとなく、また行く機会があるような気がします。