インドの結婚式
今回の旅のメインは、インド人の元同僚Bの結婚式に参列することであったが、とりあえず、招待状は貰ったものの、しきたりが全然わからない。
同僚に聞いてみると、なんだかアバウトだが、こんな回答であった。
- メインの儀式(Muhurtham)は9:35から始まるけど、色々あるので8:00くらいに来ると良い。
- 服装は、インド人は男性はドーティー(正装用の巻きスカート)、女性はサリーが一般的だけど、何でも良い。
- ご祝儀的なものは特にない。
なんか、結婚式場でドーティーを用意してくれるということだったけど、とりあえず白いワイシャツと黒いスラックス、革靴を持参していくことにした。
結婚式場は、ティルバナンダプラムのホテルからタクシーで30分ちょっとの郊外の講堂。到着すると、式が始まる前の日本で言うところの親戚の顔合わせ的なことをやっていた。
勿論、手で食べるのだが、インド人は皆コネコネして、色々混ぜて食べていることの気がついた。手で食べ物の感触も楽しむものらしい。(また、ちゃんと柔らかく煮てあるかの確認でもあるそうな。)
今回のインド旅行で、インド人がなぜ手で食べるのかという理由がわかった。先程説明したように、触覚で楽しむという点以外に、食器も含め、他人が洗ったものは信用出来ないけど、自分の手であれば、安心だからだということだ。カースト制度の名残もあるだろうが、日本人とは浄不浄の考え方が異なるのである。
その後、結婚式が始まるのであるが、あまり明確な進行はなく、知らぬ間に何やら舞台の上で儀式が始まっていた。Bが爺さんから色々と指示されるがままになんだかやっている。
インドの結婚式は、かなり多くの細かな儀式からなりたち、それぞれが生命がどのように成り立っているかを表しているらしい。ちなみにこれが3時間ほど続く。
その間、皆ちゃんと見ているわけではなく、好き放題やっている。途中で昼ごはんを食べたり、トイレに行ったり、適当にやっていた。そもそも家族以外は、舞台上で行われているこの儀式を観客席からみているのだ。(その数、のべ500人!)
結婚式は続く
メインの結婚式は、午後2時くらいに終了したが、さらに新居にて儀式があるとのこと。
ちなみに新居はここからバスで2時間半も離れているんだけど、ここまで来たから徹底的に付きあおうと思い訪問することにした。
写真は新居内に作った祭壇で、中心にあるのはココナツの花だそうな。
この祭壇の前で、年輩の女性が代わる代わる、新郎新婦にスプーンで食べ物を食べさせたり、女性だけで盆踊り的な踊りを舞ったり、と色々な儀式が夜の7時くらいまで続き、結局晩ご飯まで頂いてしまった。
今回、インドの結婚式に参加させてもらって感じたのは、日本が随分前に失ってしまった、親を敬う気持ち、家族や親戚との繋がりを大切にする気持ち、信仰を通じた倫理観の高さが、インドでは生き続けていて、日本は経済的に豊かになった分、失ったものは相当大きいと感じたのでした。
(続く。)